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2.1.4 コンポーネント・モデル

Visual LANSAでは、LANSAリポジトリが拡張され、フィールドとファイルだけでなく、コンポーネントも保管されます。このオブジェクト指向のコンポーネント・モデルは、ユーザー・センタードのイベント・ドリブン・アプリケーションの基礎を提供します。ただし、Visual LANSAでは、オブジェクト指向の枠組みが簡単な方法で実装されるため、開発者は生産性とビジネスの目標に重点を置くことができます。

コンポーネント・モデルは、今後のLANSAでのアプリケーション開発の基礎になります。

フィールドは自動的にコンポーネントになる

すべての既存のLANSAフィールドは、自動的にコンポーネントになります。デフォルトでは、すべてのフィールドが入力フィールドになります。つまり、アプリケーションでフィールドを使用する場合は、リポジトリからフォームにドラッグすると、自動的にラベルのついた入力フィールドとしてビジュアライズされます。すべてのルールとトリガーは、従来と同様に適用されます。入力フィールドはコンポーネントなので、高さや幅、関連するイベントなどのプロパティを持ちます。

フィールドのコンポーネント定義を変更し、スピン編集ボックス、プロンプタ付きの入力フィールド、チェック・ボックス、一連のラジオ・ボタン、リスト、トラック・バー、プログレス・バーとして表示できます。

フィールドの自動変換は、IBM iから他の多数のビジュアル・ツールに移行するときのような無数の属性のサイズ変更と再定義が必要ないので、大変便利です。

フィールドのコンポーネントの特性は、LANSA/AD またはユニバーサル UI アプリケーションで使用する場合は無視されます。

再利用可能パーツ

コンポーネント・テクノロジは、生産性、品質、および一貫性の獲得を提供するために設計され、開発作業の中心は標準の再利用可能な自動的に構築されるブロックである再利用可能パーツの作成です。再利用可能パーツからアプリケーションが組み立てられます。多くの保守は再利用可能パーツ・レベルで実行されるので、個々のアプリケーションでのテストと検証で必要な時間を大幅に削減します。

通常のVisual LANSAアプリケーションは、リスト、フィールド、標準ダイアログなどのリポジトリで定義されている再利用可能パーツから構築されます。個々の再利用可能パーツを変更でき、この変更はコンポーネントを使用する各アプリケーションで反映されます。アプリケーションそのものを変更または再コンパイルする必要はありません。例えば、再利用可能パーツのラベルを変更すると、この変更は即座にボタンを使用している各アプリケーションに反映されます。

再利用可能パーツには、ロジックも含まれます。例えば、EmpListという自動化された再利用可能パーツを作成し、リスト・ボックスとして定義し、特定のデータベース・テーブルから情報を入力するようにコードを記述できます。

 

このコンポーネントの作成後、この従業員のリストが必要な各アプリケーションで再利用します。コンポーネントは自分のコードを使用してファイルからエントリーを取得して表示するので、アプリケーションそのものではリストに情報を入力するためのコーディングは必要ありません。

あとから従業員番号もリストに表示するなど、パーツを変更することができます。または従業員の情報が別のファイルに移動した場合は、コンポーネントのSELECTステートメントのファイル名を変更するだけです。その後コンポーネントを再コンパイルしてテストし、リポジトリに再度保存します。この場合も、すべての変更はコンポーネントが使用される各アプリケーションに即座に反映され、個別にリコンパイルやテストを行う必要はありません。

再利用可能パーツを使用することにより、アプリケーションの外観を同じようにし、同じように動作させることができます。例えば、OKボタンとキャンセルボタンの標準のセットを使用すると、各画面のボタンが同じサイズ、形、色になり、同じフォントのキャプションを持ち、同じように動作します。

再利用可能パーツは、0から作成するか、既存のものをコピーして変更することができます。サイトにコンポーネントの標準のセットがあると、新しいアプリケーションの作成と既存のアプリケーションの拡張は必要なパーツを組み立てるという単純なものになります。