ここまでは、インスタンスリスト・エントリーの追加、更新、削除処理を、どのようにして共通の共有インスタンスリスト・コントローラーに代行させることができるかを見てきました。
通常、フィルターやコマンド・ハンドラー内に繰り返されるコードを含む可能性のあるその他の処理は、同じ方法で代行させることができます。
たとえば、前のセクションの RAMP スクリプトは、リッスンしているフィルター経由でイベントを通知することで、インスタンスリスト・コントローラーにアクセスできます。ただし、リッスンしているフィルターを必ずしも認識しているとは限らないため、リッスンのためのコードをすべてのフィルターで繰り返す必要があるでしょう。
このリッスン・タスク (および実質的にすべてのリッスン・タスク) を共通の共有インスタンスリスト・コントローラーに代行させる1つの方法を次に示します。
インスタンスリスト・コントローラーで、次のような 2 つのコレクションを定義します。
* すべての登録されたアクティブなフィルターとコマンド・ハンドラーの履歴を管理
DEFINE_COM CLASS(#Prim_Acol<#VF_ac007O >) NAME(#ActiveFilters) /* VF_AC007 for WIN */
DEFINE_COM CLASS(#Prim_Acol<#VF_ac010O>) NAME(#ActiveHandlers) /* VF_AC010 for WIN */
次に、以下の 2 つのメソッドを追加します。
MthRoutine RegisterInitialize
Define_map *input #VF_AC007O #Filter Pass(*By_Reference) Mandatory(null)
Define_map *input #VF_AC010O #Handler Pass(*By_Reference) Mandatory(null)
* 登録され、アクティブなフィルターの履歴管理
If_ref #Filter is_not(*null)
Invoke #ActiveFilters.Insert Item(#Filter)
Endif
* 登録され、アクティブなコマンド・ハンドラーすべての履歴管理
If_ref #Handler is_not(*null)
Invoke #ActiveHandlers.Insert Item(#Handler)
Endif
Endroutine
MthRoutine RegisterTerminate
Define_map *input #VF_AC007O #Filter Pass(*By_Reference) Mandatory(null)
Define_map *input #VF_AC010O #Handler Pass(*By_Reference) Mandatory(null)
* アクティブ・コレクションから指定のフィルターを削除
If_ref #Filter is_not(*null)
Invoke #ActiveFilters.Remove Object(#Filter)
Endif
* アクティブ・コレクションから指定のコマンド・ハンドラーを削除。
If_ref #Handler is_not(*null)
Invoke #ActiveHandlers.Remove Object(#Handler)
Endif
Endroutine
次に、各フィルターまたはコマンド・ハンドラーで次の3つの処理を行う必要があります。
DEFINE_COM CLASS(#EMPMNGR) NAME(#EmployeeController) scope(*Application)
MthRoutine uInitialize Options(*Redefine)
Invoke # EmployeeController.RegisterInitialize Filter(#Com_Owner)
Endroutine
コマンド・ハンドラーで次の処理を行います。
MthRoutine uInitialize Options(*Redefine)
Invoke #EmployeeController.RegisterInitialize Handler(#Com_Owner)
Endroutine
MthRoutine uTerminate Options(*Redefine)
Invoke #EmployeeController.RegisterTerminate Filter(#Com_Owner)
Endroutine
コマンド・ハンドラーで次の処理を行います。
MthRoutine uTerminate Options(*Redefine)
Invoke #EmployeeController.RegisterTerminate Handler(#Com_Owner)
Endroutine
注：使用したロジックを uTerminate で終了することが非常に大切です。
これでインスタンスリスト・コントローラーは、このビジネス・オブジェクト (Employees) に関する処理を実行しているすべてのフィルターとコマンド・ハンドラーを認識します。
インスタンスリスト・マネージャーは共通の共有操作の代行を開始できます。
たとえば、インスタンスリスト・コントローラーに次のようなイベント・ルーチンが含まれている場合を考えます。
Evtroutine Handling(#ActiveFilters<>.avEvent) WithId(#EventId) WithAInfo1(#AInfo1) WithAInfo2(#AInfo2) WithAInfo3(#AInfo3) COM_Sender(#SendingFilter) Options(*NOCLEARMESSAGES *NOCLEARERRORS)
Case #EventId.Value
When (= UPDATE_EMPLOYEE_5250)
#Com_Owner.UpdateListDetails ListManager(#SendingFilter.avListManager) ForEmpno(#AInfo1)
When (= DELETE_EMPLOYEE_5250)
#Com_Owner.DeleteListDetails ListManager(#SendingFilter.avListManager) ForEmpno(#AInfo1) inDepartment(#AInfo2) InSection(#AInfo3)
EndCase
Endroutine
インスタンスリスト・コントローラーは、すべてのフィルターの、RAMPスクリプトのイベントをリッスンするジョブを引き継ぎます。
これで、特定のフィルターにこのリッスン・コードを追加する必要はなくなります。
#ActiveFilters<>.avEventの使用は特殊です。
このインスタンスリスト・コントローラーのイベント・ルーチンは、そのインスタンスリスト・マネージャーに登録されているすべてのフィルターをリッスン (つまり傍受) しています。
もちろん、#ActiveHandlers<>を使用しても同じ処理を行えます。
その一方で、インスタンスリスト・コントローラーはイベントをすべてのアクティブなフィルターとコマンド・ハンドラーに通知することができます。通常以下のように処理します。
まず、インスタンスリスト・マネージャーに通知するイベントとメソッドを次のように定義します。
Define_Evt EmployeeUpdate
Define_map *input #Empno #EmployeeNumber
Define_Evt EmployeeDelete
Define_map *input #Empno #EmployeeNumber
Mthroutine Signal_EmployeeUpdate
Define_map *input #Empno #EmployeeNumber
Signal EmployeeUpdate EmployeeNumber(#EmployeeNumber)
Endroutine
Mthroutine Signal_EmployeeDelete
Define_map *input #Empno #EmployeeNumber
Signal EmployeeDelete EmployeeNumber(#EmployeeNumber)
Endroutine
次に、これらのイベントが発生した時に通知を受けるすべてのフィルターまたはコマンド・ハンドラーに、次のようなイベント処理ルーチンを組み込みリッスンを行います。
Evtroutine Handling(#EmployeeController.EmployeeUpdate)
EmployeeNumber(#EmployeeNumber)
Use Message_box_show (ok ok info *Component ("I have just been notified that employee number " + #EmployeeNumber + " has been updated"))
Endroutine
Evtroutine Handling(#EmployeeController.EmployeeDelete)
EmployeeNumber(#EmployeeNUmber)
Use Message_box_show (ok ok info *Component ("I have just been notified that employee number " + #EmployeeNumber + " has been deleted"))
Endroutine
最後に、他のものにイベントを伝える(または起動する、通知する)フィルターまたはコマンド・ハンドラーで、次のような処理を行う必要があります。
#EmployeeController.Signal_EmployeeUpdate EmployeeNumber(#Empno)
または、
#EmployeeController.Signal_EmployeeDelete EmployeeNumber(#Empno)
