「配布ツールの環境」および「アプリケーション・サーバー」のセクションでは、アプリケーション・サーバーと配布システムを別にする必要性が説明されています。これは、配布のテストを行う時間もないままに、パッケージ生成の直後に実稼働システムが更新されてしまうのを防ぐためです。では、実際にはどのように処理されるのでしょうか。統制された環境で配布の制作およびテストを行うには、どのような手順が必要になるのでしょう。
重要なポイントは、パッケージにアプリケーション・サーバー用の接続詳細が含まれているという点です。つまり、1 つのアプリケーションに、アプリケーション・サーバーは 1 つだけ存在します。ですが、テストと実稼働用に 2 つの場所が必要です。これはどのようにして変更すれば良いのでしょうか。
最初のインストール時のみですが、テスターは MSI コマンド・ラインに次のいずれかを指定する必要があります。
MSI コマンド・ラインで x_run パラメータを指定すると、インストールだけでなく、アプリケーション実行時にも値が変更されることに注意してください。これに続くアプリケーションの実行では、同じメカニズムが使用され、該当するアプリケーション・サーバーの適切なパッケージにアクセスされます。
オプション (1) - 別のアプリケーション・サーバー
このオプションは、バージョン 13.2 以降のみで使用可能です。
アプリケーション・サーバーは配布システムと実稼働システムの両方のシステムで必要となります。アプリケーション・サーバーが両方とも同じマシンに存在する場合もあるでしょう。
アプリケーション LANSAAPP は、アプリケーション・サーバー名として実稼働アプリケーション・サーバーが設定された状態で、配布システムに作成されます。つまり、省略値の動作としては、実稼働のアプリケーション・サーバーが使用されます。
アプリケーションには、2 種類のルート情報が含まれる必要があります。1 つは実稼働のアプリケーション・サーバー、そしてもう 1 つがテストのアプリケーション・サーバーです。
そこで、テスターはコマンドラインを使って、最初の MSI を実行します。MSI が存在するディレクトリに変更して、<MSI ファイル名> ASLU=TEST と入力します。例えば、次のようになります。
LANSAAPP_1.2.3_en-us.msi ASLU=TEST
そして、パッケージを十分にテストした後、実稼働アプリケーション・サーバーにコピーします。
オプション (2) - 別のダミー・テスト・アプリケーション名
アプリケーション・サーバーは配布システムとは別です。アプリケーション LANSAAPP は、配布システムに作成され、アプリケーション・サーバーにコピーされますが、コピー先ディレクトリは x_apps\LANSAAPP ではありません。別のディレクトリ、例えば x_apps\TEST に作成され、全てのパッケージはここに入ります。 これらは、実稼働ディレクトリ x_apps\LANSAAPP にあるものと同じで、これに加えて setup.txt ファイル、新しいパッケージです。setup.txt ファイルが存在する場合は、APPL=TEST を指定する必要があります。
アプリケーション・サーバーは 1 つだけなので、必要なルート情報は 1 つだけとなります。
そして、テスターはコマンドラインを使って、最初の MSI を実行します。MSI が存在するディレクトリに変更して、<MSI ファイル名> APPL=TEST と入力します。例えば、次のようになります。
LANSAAPP1.2.3_en-us.msi APPL=TEST
そして、パッケージを十分にテストした後、アプリケーション・サーバーのディレクトリ、例えば、x_apps\LANSAAPP に直接コピーします。